鳥専門の病院が少ない理由

鳥を診ることができる病院が少ないのは鳥飼さんの間では有名な話。
しかし、その理由については意外と知らない人が多いと思います。
今回はその理由と獣医師の立場からの意見を交えながらお話ししていきます。

- 鳥を診療する病院の種類
- 鳥専門の動物病院が少ない理由
- コンパニオンバードを学べる大学
鳥を診療する病院の種類
① 鳥の専門病院
鳥の専門病院では、糞便検査、レントゲン検査に加え、エコー検査や血液検査も行うことができます。
また、犬猫とは異なるスキルを求められます。
- 視診による異常所見
- レントゲン撮影時の保定
- 採血の技術
- etc.
健康診断も含め、初めて鳥を診てもらうのであれば、可能な限り鳥専門の病院で診てもらうのがオススメです。
※猛禽類を診れる動物病院は鳥専門の中でも一部だけ!
この記事を読んでいる方の中で、猛禽類のお迎えを考えている人がいるかもしれません。
その場合は、必ず【猛禽類を診察できる動物病院】を見つけておきましょう。
すべての鳥専門病院が猛禽類を診れるわけではありません。
インコ・オウム類とは解剖学・生理学的に異なるところがあります。
食性も大きく異なります。
お迎えする前に、定期的な健康診断、体調を崩したときのかかりつけ病院、長年連れ添った後の最期までを想定しておきましょう。
② 「鳥も」診れる動物病院
鳥を診る動物病院には、
- 犬猫の診療に加えて、鳥の診療も行っている
- 鳥の診療に加えて、その他のエキゾチックアニマルの診療も行っている
このような病院も存在します。
ただし「鳥専門」で診療している病院と比較した場合、どうしても専門性が分散してしまうため、当たり外れが大きくなります。

【鳥を診れる病院の探し方】については、また別の記事で書く予定です。
お楽しみに!
鳥専門の動物病院が少ない理由
① 大学で学ぶ鳥類学は、主に食鳥としての「ニワトリ」
獣医師法に書かれている【獣医師の任務】は以下の通りです。
第一章 総則
(獣医師の任務)
第一条 獣医師は、飼育動物に関する診療及び保健衛生の指導その他の獣医事をつかさどることによつて、動物に関する保健衛生の向上及び畜産業の発達を図り、あわせて公衆衛生の向上に寄与するものとする。
この内容からも分かる通り、法律的な視点からだけで見ると、獣医師の役割は牛、馬、豚、鶏などの産業動物の発展に務めることです。
言い換えてしまうと、犬猫や、鳥を含めたその他の伴侶動物については【獣医師の任務】として特筆されていません。
結果として、獣医師の資格を取るために受験する「獣医師国家試験」の出題範囲も、鳥類学に関しては、その大半がニワトリになります。
② コンパニオンバードに一瞬だけ触れる「感染症学」
鳥類学に関して、大学で学ぶ大半はニワトリです。
ただし、獣医学のなかでもコンパニオンバードについて一瞬だけ触れることがあります。
- 国試の出題範囲(≒鳥類学の中で、出題率が比較的高い)
- 講義で「ちゃんと」取り上げられる疾病
この両方に当てはまるのが、人獣共通感染症として知られる【オウム病】です。
オウム病は感染症法において四類感染症に分類されています。
四類感染症は「動物、飲食物等の物件を介してヒトに感染する感染症」とされており、発見した獣医師は届出を行う義務があります。
③ コンパニオンバードを学べる大学はある?
北里大学で開講されている【鳥類疾病学】がありました。
「愛玩鳥の臨床」というタイトルで、インコ・オウム等で近年問題となっている感染性・非感染性疾病を扱っているようです。
まとめ
コンパニオンバードを専門とする病院が少ない理由は以下の通りです。
- 犬猫とは全く異なるスキルを要求される
- 大学の講義でほとんど扱われない
北里大学では「鳥類疾病学」で、2コマほどコンパニオンバードの講義が確保されていました。

コンパニオンバードの獣医師を実際に目指しているのは、私自身の実体験も含めて、一学年に多くても2,3人程度です…。
これからも鳥の病院が増えるスピードはゆっくりではあると思います。
しかし、少しずつでも増えていけば、確実に助けられる鳥の数は増えていくはずです。
それでは、今回は以上です。